こんにちは!伊豆・松崎町地域おこし協力隊のてらけんです。
今日は春が近づいてきたということで、テーマを「桜」に! ^^
県内の高校では本日が卒業式というところも多いようです! おめでとうございます!
そんな出会いと別れの季節にふさわしい「桜」。 この機会にちょっとゆっくり考えてみませんか?
伊豆の桜が実はすごい
今回はどちらかというと綺麗な桜を紹介するというより、「桜って実際どうなの?」というところを書いていきたいと思います。
とはいえ!
まずは見ておかないと!^^; ということでさらっと記載しておきます。
河津桜
こちらは言わずと知れた、ですね!
通常のソメイヨシノよりも早い時期に咲く河津桜!
名前にもなっている河津町がとても有名です。 何がすごいってその時期になると道が大渋滞するほど!^^; 通常10分で通過するようなところが1時間かかっちゃうぐらいの勢いです。 この時期の旅行は要注意!
色はピンクが強めで、存在感のある桜がバシッと記憶に残ります。
川沿いには出店もたくさん出ており、ぐるっと歩くだけでお祭り気分を楽しめます!
実は今年の開花はかなり早く、先週ぐらいには満開を迎えていました。。!! 早すぎ!笑
行こうと思っていたのに、、という方は、この後も緑の葉っぱがついた様子も爽やかなのでおススメですよ!
ソメイヨシノ
河津桜だけで満足しちゃいけません!
通常のソメイヨシノも美しいスポットがいくつもあるんです!
伊豆は他の地域と比べて暖かいですので、河津桜ほどではありませんが、ソメイヨシノも少し早めに咲きます。
3月下旬ぐらいねらい目? かもしれませんね! 今から楽しみです。
伊豆半島各地で綺麗に咲いているので、可能であれば巡回するのがおススメです!
こんな贅沢な旅、他にはないと思いますよ!^^ 距離的に公共交通機関では難しいので、是非ここは車を活用して巡回していってくださいね!
桜という資源を考える
実は土木工事だった!?
※あくまで説ということでご覧いただければと思います。
桜ってなんとなく川沿いに咲いていて、水が流れる風景とマッチしてとても良いですよね。伊豆の桜も川沿いに植えられていることが多いです。
でも川沿いに植える必要性ってあるのでしょうか? もちろん、その方が雰囲気良くない?というところはありますが、実はそれだけのためでもなかったかもしれないのです。
それが土木工事としての桜の植樹。
昔の人たちが恐れていた災害の一つに、川の氾濫による水害があります。
今と違ってコンクリートで工事ができたりしなかったでしょうから、大雨や台風が来ると相当困ったでしょう。 かといって水田も多く、どうしても切っても切れない水害。
それをなんとか食い止めるために桜を川沿いに植えたのだそうです。
どこが効果的なの。。? というと、根っこが張って丈夫になるということではなくて、
みんながお花見をしに一斉に出てくるからそこで固まる
という理論だったのだそうです。笑
今も昔も日本人は桜が大好きだったんですね! まさかまさかのその心理を利用した土木工事。 ある意味合理的です。
まぁでも、「やっぱり桜植えるなら川沿いが綺麗っしょ!!」そんなシンプルなニーズがあって、あくまで結果論として川岸が固くなったようにも思います。^^;
美しい姿の期限
実は桜の木には寿命があります。樹木なのでなんとなく長そうな気がしますが、人間の寿命と同じくらいと言われています。
現在植えられている桜たちはけっこう古く、戦後ぐらいに公共工事として植えられたものが多いようです。
そうなると実は寿命が近づいている。。!?
毎年近くで見ていた地元の方々の一部では、「少し前の方が勢いよく咲いていたなぁ」という方もいらっしゃいます。 ピンチ!!
もしかしたら、今年咲かなくなってしまった、と言われてもそこまで不思議ではないのです。 できればお早目に足を運んでみてください!
これからもあるんでしょ?と思っていると手遅れに。。!
更新できない桜事情
こんな綺麗な風景が有名になって、人も来ているから当然植え替えたりするんでしょ?
と思っていると、どうやらそうもいかないようです。
まずは資金。 規模が大きいのは感動的ですが、それを一新するとなるとかなりの大工事になります。 その予算をどうするか、、難しいのが現状です。
そして法律。 昔はそれこそ土木工事的な側面もありましたが、今はそうではありません。コンクリートで固めた方が強度が強く、安全になります。
その意味で、「実は川沿いに桜が植わっている」というのは河川法的にグレーなのだそうです。 もう少し言うと、「今はもう植わっているから仕方ないけど、この先植えるのはよろしくない」のだそうです。 安全性の基準が上がっちゃってるんですね。桜を植えることで多少固くなっても現在の基準は満たせない。。法律的にはコンクリートで固めたいのです。
じゃあ今ある桜が枯れてしまったら将来見ることはできない。。??
それは実は近い将来なのかもしれません。
果たして桜は役に立っている?
綺麗な色をして、季節を感じさせてくれる桜。
これを目当てに観光客が増えますし、一見、とても役に立っているように見えます。 それこそ一大観光資源のように。
でも冷静に考えてみると難しい問題があります。
例えば冒頭に申し上げた、河津桜の大渋滞。 行ったことがある方はよくご存知かと思いますが、けっこう深刻です。
なぜなら、ほぼ全ての道路がストップするからです。
片道一車線の広くもない道路を、一般車だけでなく大型バスまで何往復も。 高速道路ではありませんから、信号ももちろんあります。
ひどいときは河津町内だけでなく、伊豆縦貫道という伊豆半島の南北をつなぐ道路まで渋滞の影響があるほどです。
観光客として訪れるならなんとなくその時間も旅行気分で良いかもしれません。
しかし、暮らしている人たちからすればたまったもんじゃありません。 近所のスーパーに行くのも一苦労です。
確かに、その時期があるおかげでお金が落ちていきますが、果たしてその収入と負うコストが割にあっているのか。。 なかなか数字で算出しにくい分、厄介だと思います。
そもそも、「桜を観光戦略にするために植えられた」かどうかが疑問なのです。 仮にそうだったとしても、ここまでの交通事情になることを予想していたかどうかはわかりません。 植えられたのがここ最近の話ではありませんから。
当時植えた人々としては、あくまで地域のみんなの桜。 そして地域のみんなの道路。
「インバウンド需要を取り込むぜ~」と意気込んで町を設計していたとは思えないのです。
そうすると、けっこうキャパとしては困難なところも多くて、対応が追い付いてないなぁとか、もっと観光として生かせるのになぁと思うところがあります。
河津町だけを例にとってみても、何十万人と来るお客さんを町の中でどれだけ滞在させてお金を落としてもらっているかというと微妙です。 宿泊施設の数だけ見ても足りていない。
表現はあれかもしれませんが、せっかくお客さんが来ても肝心な利潤は他にとられちゃったりしているわけです。
そして残るのは自分たちの生活道路の混雑。。?
そんな本当のところを知る人の中には、桜による誘客を良く思わない方もいらっしゃるそうです。 マナーの悪いお客さんがいたりするとさらに迷惑ですもんね。
せっかく綺麗な桜があるのに、誰かが損するようなことにはなってほしくないものです。
綺麗な桜がふさわしい町、本当の意味で桜が似合う町。そんな姿を考えていきたいですね。
是非皆さんもこれからの桜についてちょっと考えながらお花見をしませんか?
てらけん