こんにちは!静岡県伊豆・松崎町地域おこし協力隊のてらけんです。
今日はこんなツイートについて考えてみたいと思います。
「不参加だと子供がイジメられるので、参加していますが、もう限界。」
「近所には暇な老人が多く、子育ての方針にまで口出してくるし、本当に住みにくいです。」https://t.co/ur2CeMOhhm
— いしお/地域おこし協力隊のためのなんでも相談所(手弁当) (@stonejourney) 2019年7月15日
- 地域行事に正直疲弊している
- 地域行事は大切にしたい
- これからの地域行事のあり方を考えたい
Contents
地域の伝統は鎖か、栞か

地域に住んでいると様々な伝統や行事があります。 そして、
その伝統は素晴らしいものもありますが、
一方で悪い側面も持ち合わせている
のが実態です。
地域にある伝統行事
この時期の松崎町では、天王祭といって、五穀豊穣や安全祈願のためのお祭りが各地で開催されます。
他の地区でも同じようにお祭りを開催することが多いようです。
当日は地区の人たちがみんな出てきて大盛り上がり!^^
子どもたちも巻き込んで開催されるので、明るい声が飛び交います。
松崎町では他に、秋祭りで太鼓が演奏されたりしています。
これも大迫力の演奏が素晴らしい!!^^
こんなに人がいたのか。。!? と驚くこと間違いなしです。
拠り所としての地域のお祭り
松崎町にお住まいの方はみんなお祭りが大好きです。
今は住んでいなくても、その日になるとわざわざ帰省して参加するほどの熱量を持った方が大勢いらっしゃいます。
- あのパフォーマンスをみんなで守ろう!
- 年に一度、地元の知人友人に会えるのが楽しみ!
- 昔からやっていることを自分たちもできる誇り!
そんな使命感を背負って参加される方もいらっしゃいます。 素晴らしいですよね!
だからこそ圧巻のクオリティと盛り上がりが実現できているのです。
その光景ややりとりを見ると、もはやただのイベントではなく、町民の心の拠り所になっているのだな、ということを強く感じます。
地域の伝統の負の側面

素晴らしい光景がある一方で、人口減少や高齢化が著しい地域においては問題も発生しています。
最初の投稿でもお伝えした通り、悩む人が発生しているのも事実です。
今日はその点についてもう少し掘り下げていきたいと思います。
強要されることの苦痛
地域の中では大きな声で言えないものの、実は「大変だ。。」と思っている方は多いです。
特に、その地域の中で育った方でないケースは難しいですよね。
上記の記事の中では、女性に焦点をあててお話しましたが、正直男性でも同じです。
たまたま入った地域では「伝統」として当たり前に行われていることが、自分は全く当たり前でなかったとき、それはきっと苦痛でしょう。
例えば、お酒が飲めない体質の場合は、飲み会の雰囲気やノリが理解できない部分は大きいはずです。
もちろん、飲めなくても好き!という方もいます。逆に、お酒は飲めるけど飲み会は嫌いという方もいらっしゃいます。
要は、様々なケースがあるので、それぞれにあったスタイルを選択できるような状況であることが一番重要なのです。
冒頭のように「住みにくい」とまで言われてしまうととても寂しいもんですよね。。
自分を犠牲にしなければいけない
団体や組織で動くことになるので、「みんな頑張っているから」という意見が通りがちです。
- 本当は仕事が忙しいんだけど、、
- 子育てに集中したい、、
- 最初は良かったんだけど状況が変わってしまった、、
本当は人それぞれの状況があって然りのはずです。 そして、その程度の差もそれぞれあるでしょう。
でも、それが一緒くたにされてしまうケースも多いです。
典型的なのは「みんなそうだから」という言葉。
私はいつもこれが一番怖いなぁと思います。
- みんなってどこまで?
- そうとしか動けないの?
- 今までなかった状況もありえるんじゃない?
一度立ち止まって考えれば、別の回答に行きついたかもしれないことを強引にひとまとめにするのは良くないと思いますね。
若い世代への負担集中
壮大なスケールがあったり、寸分違わずそろったパフォーマンスは圧巻です。
でも、それは同時にその準備が大変になることを意味します。
周囲の人たちとしてはできるだけ素晴らしいものを期待してしまいますが、その現場はかなり疲弊しているケースもかなりあります。
なぜなら、昔と違って若い世代の人数が減っているのに、上の世代は増えているからです。

その実態を冷静に考えれば、今までと同じことが同じようにはできないことがわかるはずです。
しかし、なにしろその実態が共有されにくい。。!
と、そう言われてしまうと一発です。 あるいは、そう言われるのが嫌で我慢していたりします。
それで地域が嫌になってしまったら意味がない。。 これがなかなか理解されていないですね。
何が一番大事なのか、問い直そう

少子高齢化・過疎化により、地方が厳しい状況にあるのは間違いありません。
そんな状況だからこそ、何よりも「みんなが大好きな地域のために」しっかりと考えていかなければいけません。
無理や犠牲のもとになされることはやめよう
この先の世の中は正直言って明るいものではないと思います。
- さらに加速する少子高齢化・過疎化
- 税収減による予算縮小
- 限界集落発生による自治体の統廃合
そういった環境の中で、誰かが無理をしなければならないようなことを続けていると、いずれ限界が訪れます。
ちょっと胡散臭い表現かもしれませんが、「みんなで、みんなが楽しめる取り組み」を目指さなければいけません。
そのためには、男性女性で負担が違ってはいけませんし、もちろん年齢によるギャップも考えなければいけません。
今まで通りのやり方がもしそれに合致していないなら、一度考え直す必要があるのではないでしょうか。
引き際も議論しよう
どうしても無理な場合は、取りやめる決断も視野に入れましょう。
なぜなら、次の世代に受け渡されても迷惑になるからです。
めんどうなことを引き継がなければいけないのが嫌で、地域の外に行ってしまう人もいるはずです。
伝統と言えば聞こえは良いですが、意味もなく続けられている風習は負担を生んでしまいかねません。
- ただ頑張ることが目的になっていないか?
- 省力化する工夫はしているか?
- 参加する人数に見合った取り組みか?
「自分たちのときはこうしていた」は本当にプレッシャーです。
今は状況が違うこと、そして、これからも状況が変わっていくことを見越して、今必要なことを考えましょう。
一番大切なのはみんながいること
守ってきた伝統を変化させるのは覚悟のいることです。
でも、一番大切なのは形を残すことではなく、みんなが一緒に地域を想うことではないでしょうか。
今ある伝統行事の各所には、そういった想いが時代を超えて紡がれてきたことを感じます。
だからこそ、これからの形を私たちがしっかり議論して次につないでいかなければならないのではないしょうか。

- 住んでいるからこそ知り得たおすすめ情報!
- 地域の人とネットワークがある!
- 隊員活動3年目!現場視点でお話できます。
これからも地域が魅力的であるためのご相談はいつでも受け付けております!
ご連絡お待ちしております!
てらけん