こんにちは!静岡県伊豆・松崎町地域おこし協力隊のてらけんです。
テレビやラジオのような大きなメディアでは「地域おこし協力隊の新しい力が町を元気にしています!」という明るいニュースが取り上げられがちですが、実際にはもっと根深い問題があります。
そして、その問題に振り回されてしまった結果、地域を離れてしまう隊員のケースがあるのも事実です。。 せっかく巡り合えたのにもったいない!そういう不幸をなくすために今日は書いていきたいと思います。
- 地域おこし協力隊がどんな問題を抱えているのか知りたい
- 隊員として活動しているが悩んでいる
- 地域と真剣に向き合っていきたい
Contents
地域おこし協力隊は問題を抱えすぎないで!

地域おこし協力隊の深刻な問題、それは、
地域の根源にある問題を隊員には解決できない
ということです。
地域の根源にある問題とは?
既得権益を握ってしまっている人々が動かないこと
が多いです。
例えば不動産。 地域の顔となるような場所に立地している物件が平気で空き家だったりします。 「ここで人を呼び込めるような場所を展開できたら地域にどんどん誘客できて経済効果を生むんじゃないか」と思って調べてみても、まるで東京のような家賃設定が返ってきたりします。 それでずっと空き家。
よく聞く話ですが、そういうオーナーさんに限って
これでも安い方だ!昔なんてこうだったのに。
とおっしゃる方が多いのです。土地神話というか、バブリーな時代の記憶が忘れられないのでしょう。
正直隊員にはどうしようもできない
地域おこし協力隊として派遣されてきたんだからなんとかしてくれるんだろう
残念ながらそれは間違いです。 地域おこし協力隊はどこからともなくやってくる勇者や賢者ではなく、生身の人間です。 そして、新しく地域に入るのであれば基本的にレベル1の村人Aです。
その村人に「ドラゴンを倒してくれ!」と言ってもどうすることもできません。 レベルもスキルも段違いなのです。
しかも、権力や潤沢な資金があるわけでもない。 基礎戦闘能力どころか装備も薄いのです。。
どうしようもできないって?
そんな風におっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。 確かにその通りなのですが、どうしようもないことはどうしようもできません。
- 過去のこと
- 地域の利権
- 数十年来の人間関係
- 体質、性格的なこと
例えばこういったことは、隊員であるかどうかを問わず、誰でもどうすることもできないですよね。
特に過去のこと。 過去に起きた出来事を変えることは誰にもできません。
ですが、そういうことに巻き込まれてしまってずーっと思い悩んでしまうことも地域おこし協力隊ではよくあります。地域おこし協力隊でない方もそうかもしれませんね。 「今まさにそう!」という方はこの後の内容を見て少しでも気持ちを整理していただけたらと思います。
地域の問題に思い悩みすぎるのはやめよう

どうしようもできないことに思い悩むのはやめましょう。
あなたができること、それに向き合う方がきっとあなたは地域で輝けます。
本当に地域の問題を解決するのは隊員じゃない
地域の問題の発生源、それはやはり地域の中にあります。
それを地域おこし協力隊の私が言ってしまうと無責任に思われるかもしれませんが、間違いなくそうです。
- 人口が減って行事ができない
- バブルの時に比べてお客さんが減った
- 子どもたちが出ていって戻ってこない
それは隊員の問題ではなく、長年そういう課題に真剣に向き合ってこなかったことが起因しているはずです。 もちろん全員がそうでなかったとは言いません。そこにずっと取り組まれている方もいらっしゃいます。
でも、今の時代伊豆なんかよりももっと資源が少なくて、アクセスも悪い地方でものすごく魅力が高まって人を呼び込んでいる地域は山ほどあります。 そこに比べたらやはり努力が少なかったと認めざるを得ないはずです。 地域側が、ですね。
そこは見えないことにしておいて、「地域おこし協力隊なんだからなんとかしろよ!」はやはり違うのではないかなと思います。
相手に非があることだってあるよ!
そもそもですが、地域がうまくまわっていたら地域おこし協力隊なんて制度を使うことはありません。 よって、地域おこし協力隊制度が導入されているということは、何かしらうまくいっていないということとほぼ同義です。 そして、それがうまくいっていないのは、何か設備が足りないとか重大な損失があって立ち直れないとかそういうことではなくて、組織が機能していないことが多いです。
絶望的に爺経営者ばかりなのは、経済団体の集まりにいくと分かる。本当にヤバいレベルで爺しかいない。
— 木下斉/Hitoshi Kinoshita (@shoutengai) 2019年5月15日
あくまで一例ですが、地方創生分野で活躍されている木下さんはこのようにおっしゃっています。 地方も同じでかなりヤバイです。
いろいろな組織や会議にも参加しましたが、「まずもって今日は何を決めるのか」「課題をどう設定しようか」というところも無しに、いろいろな人が言うだけ言う場と化してしまうケースも多々あります。
それをなんとかしてくれ、というのはハッキリ言って無理難題なのです。というかどうしようもできないからこそ、隊員にまるっと放り投げがちです。 悪気があってというわけではないのかもしれませんが。。
あなたのオリジナル問題を見つけよう
地域おこし協力隊としてあなたが地域にできること、あるいは、今すぐにはできないけれど、挑戦すれば地域に価値をもたらせるであろうことに取り組みましょう。 それを実行し、何らかのメリットを地域に提供することこそがあなたに課せられた問題であり、ミッションです。
それはもちろん、規模が大きかったり目立った成果があったりする方が、みんなに目に見えて喜んでもらえるかもしれませんが、それだけでもないはずです。
- ちょっとした世間話をする相手が欲しくて
- 動くのが大変で手伝ってほしいことがあって
- 誰かに食べてもらいたくて
どんな小さなことでも願いを叶えてあげることができれば、それは大きな付加価値です。
段々地域おこしになっていく

地域おこし協力隊としての任期には3年間という限度がありますが、あなたが地域おこしに関わることに期限はありません。
そして、【何においても3年間でできることは微々たるものである】ことを忘れないようにしましょう。
時間はかかるけれど一歩ずつ進むことはできる
途中、「地域の問題なんてずっと前に始まってて隊員1人じゃどうしようもないんだから!」というようなお話もしましたが、「じゃあ全部諦めろ」というわけではありません。
そんな元も子もないことを言い始めたら、それこそ無責任で、今までそうやって問題を山積みにしたままにしてきた人たちと同じですよね。 そうありたくない、あるいは、自分が大好きなこの地域が、この先はそうあってほしくない!と思うのであれば、
今から一歩ずつ始めましょう。
始めることの大切さを私は既出の木下斉さんから学びました。
なかなか応援が得られず「しんどいなぁ」というときもきっとあると思いますが、私は応援しています!
一人では何もできない。できないけどやってみよう。
地域おこし協力隊は孤独であることも多いです。
- 元々の地元コミュニティと温度感が違う
- 生まれ育ってきた環境が違うので共感できない
- どうせ3年後はいないんだろうと思われてしまう
いろいろなケースを耳にしてきました。 私自身、孤独だなーと思ったことは何度もあります。 大変な時こそ。 自分なんて何にもできないんだな、、と自己嫌悪になります。
大丈夫です。 その感覚はおそらく多くの人が共有しています。
地域おこし協力隊の方も、そうでない方も、少しずつでも”やってみる”ことが増えていけばそれがきっと地域おこしになっていくと思います。

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てらけん