こんにちは!伊豆・松崎町地域おこし協力隊のてらけんです。
本日は、松崎町で素晴らしいイベントが開催されたのでその現地レポートをお届けします!
ざっくり言うと、、、
オトナの女性たちによる壮大なイタズラ!!!
笑
果たしてどんなことになるやら。。??
不思議なお話の
はじまりはじまり〜〜♪
Contents
絲concept
静岡県で最も小さな町こそ
伊豆半島のほぼ南の先端に位置する松崎町。
電車が通る東海岸と違って、アクセスが悪い場所に立地しています。
そこはしばしば、「なんにもない、退屈な田舎だ」と言われてしまいます。
実際どうか。
【そんなことない!】
【もっともっと面白くなれる最高の田舎町だ】
そう考えている人たちがいます。
その人たちは自らこんな風に名乗っています。
松崎 絲concept。
すでに素材は出揃っているのです
自然に満ちた美しい町と、人懐こくユニークな人々を、
アートという起爆剤を使って、今までになかったような、刺激的かつセンセーショナルな方法で、
この町の新たな魅力をアピールしたいのです。
この町で暮らす私たちを、皆さんが羨ましく思ってしまうように。
この町で暮らす人々の毎日が楽しくて仕方なくなるように。
この町で育つ子どもたちが、未来を思って目を輝かせられるように。
かつて養蚕で栄えた松崎町が、失ってしまった「絲」をキーワードに、
町中に散りばめられた宝の破片を、
編み、組み、紡ぎ、綴っていきます。
すでに素材は出揃っているのです。
さて、どんなタペストリーが織り上がるのか。
どうぞ、楽しみにしていて下さい。
〜松崎 絲conceptさんホームページより抜粋〜
かいつまんで
今回の主役となる「絲concept」の皆さん、通称:絲コン。
絲コンのメンバーは皆さん女性で構成されています。
そして、その多くが地元出身ではなく、松崎町に嫁いで来た方々。
ある意味異質なようで、どこかで最もまちを想う、そんな素敵な方々です。
私が個人的に思う、絲コンの強さを申し上げると、それは 【願い】 だと思います。
まだ小さいお子さんの面倒を見ながらも時間を割いて活動に参加されている方々も多いです。 そうなると、自然に目線は「まち」というよりも「こどもたち」へ。 「じぶんたち」さえも置き去りにして「こどもたち」を【願う】姿は、さすが母の愛だなあといつも思います。
彼らを幸せにすることこそ、自らの幸せであり、そこに理由を押し付けない。労を惜しまない。いや、惜しめない。
私にはこれからも理解しにくい感覚なのかもしれません。
そこにある、論理を超えた 【願い】 がこのイベントを含む活動には込められているなあと思います。 今回のイベントは期間限定ですが、これからも活動をされていくとのことなので、是非お立ち寄りください!^^
マツタキ今昔物語絵巻
はじめに
絲コンの皆さんのプロジェクトは複数あります。 今回のイベント「マツタキ今昔物語絵巻」はその活動の総集編というか、まとめ報告会として企画されました。
その表現がまたユニーク!^^
ガイドブックには登場しない「新しい民話」 として表現されていました!
素材となるのは、松崎の有名人、噂話、伝説など。 全ては2017年秋からメンバーの皆さんが取材されたものです。
最終成果物がこれまた驚きの手作り絵巻物!!

表紙からワクワクしますね♪
会場の様子
期待が高まりながら中へ!!
すると真っ先に、、
どーーーん!!!
大迫力の超特大絵巻!!^^;
圧巻です。
プリントされているのは今回制作した作品たち!!

なんだこりゃ!?
と、思う方もいらっしゃるかもしれません。笑
これはただの写真ではなく、「フォトコラージュ」という手法で表現されたアート作品! 写真を撮るだけでなく、撮り貯めた写真をプリントし、ハサミで切り抜き、モチーフや色ごとに仕分けして再編集しています。
一見、摩訶不思議なような、でもどこかストーリー性を帯びた不思議な世界が表現されています。

素敵な表紙をしたこちらの冊子には昔の巻物風に作品がちりばめられています。 紙の感じと折り重なって連なる様子も素敵!^^
古民家の雰囲気ととてもマッチしていました!
とっても急なこちらの階段を登って行くと、

こちらにも作品が!!

先ほどの絵巻の原画が綺麗に展示されています。

畳と漆喰の壁の色と作品の調和が空間を彩ってくれています。
元々建築学科ということもあって、こういう空間にいると自然にワクワクウキウキしちゃうんですよね。^^; (←建築学科あるある笑)
空間というのは不思議なもので、直感的にわかる温度や湿度だけでなく、雰囲気で見え方が全然違うんですよ!^^
それを引き出せるかどうかはやはり作品の力。 皆さんの素晴らしい活動のおかげです。

常設のお着物もまた素敵♪

奥の部屋にはしっかりと作品の解説が! ひとつひとつの写真のパーツも説明付きなので、鈍感なてらけんのようなド素人でも安心!^^; 助かります!

これまた急な階段を降りていくと、、

ごちゃごちゃしたような作業場が!!
貴重なフォトコラージュの制作過程が展示されています!!
自分も挑戦してみたい。。!!
なんとも想像力を掻き立たせてくれる場所ですね!
奥の方からは何やら賑やかな声が、、?

地元の方々も興味津々!!^^ この日は不思議と女性ばかりで、自然とお茶も出てきて松崎女子会のはじまりはじまり〜〜♪笑

なんと、期間中は平日でも1日50名以上の集客があったとか!^^; 初めての取り組みにも関わらず、驚異の人気ぶりです!

最後には、絵巻物中では「不老長寿の実」 と表されているパパイヤを使ったお茶のサービスまで! さすが女性ならではの細かい気遣いです。 心も体も満たされる体験となりました! ありがとうございました!!!
Yarn bombing
編み物がアート?
「Yarn bombing(ヤーンボミング)」というアートをご存知ですか??
毛糸を使って、町にあるもの、風景をデコレーションしてしまうゲリラアート!
なんといってもその表現がとってもかわいいんです!^^
見慣れた景色がカラフルに編みくるまれて、一気に日常が非日常に!!!^^
かつては、家庭内で地道に編み物をするのが当たり前だった世界から、「一歩飛び出してしまおう!」 という元気なアートプロジェクトです。
今回の会場である、伊豆文邸もそのエジキに!!!笑



お庭がどこもかしこもカラフルに!!!笑

正面入り口も!

内装も!!

こんなところまで!!!笑
凄まじい勢いで編みぐるまれていきます!!
女性が家を守るのが当たり前?
家の中で細々と編み物をする母の姿。
それだけじゃあもったいない!
もっと町に出て「イタズラ」を仕掛けよう!!^^
そんな絲コンの皆さんの呼びかけに答えてくださったのは、町中の女性たち。
すごいんです、この皆さんの手つき。
何十年も松崎町の人々の絲を編んできた、まさにレジェンドたち。
「こんなもの目をつむっててもできるわよ!」なんていうツワモノも!笑
家の中に押し込まれていた女性たちのパワーが、ひとたび町に溢れればこんなにも素晴らしい感動を与えるなんて! 誰が想像していたでしょうか。
いや、当たり前のことです。
それだけこの絲には 【願い】 がず〜〜〜っと昔から込められていたんですから。
絲は紡がれる
今回のイベントは本当に素晴らしいものでした。 個人的には、かなり制作段階からよくお話していたので、そりゃあもう納得の仕上がりでした!^^ 皆様お疲れ様でした!!!
ひとつだけ、最後に私的見解を。
絲コンの趣旨の中で私が引っかかった点がひとつだけありました。(そこは黙っとくのが乙女心わかるやつだぞとまた怒られそうですw)
それは、
【かつて養蚕で栄えた松崎町が、失ってしまった「絲」を】
という部分でした。
【失ってしまった】
という部分ですね。
個人的には【失われていない】と思っています。
失われる、ってもっと焼失したり流失したりすることを指すような気がしていて、松崎町はその点全く【失われていない】と思うのです。
歴史も文化も人間も。
全く【失われていない】。
でも、【かつて養蚕で栄えた松崎町が、失ってしまった「絲」を】という表現が出てきたことに全く反対ということはなくて、感覚的にはおっしゃる通りだと思います。
急激な過疎化と共に、あたかもまちの元気が流失してしまったような感じ。
でもでも、それって錯覚に近いと思うんです。
もし、それこそ「絲」で例えるなら「絲がこんがらがってる」だけ。
こんがらがってるものを、無理やり各々が引っ張ってしまったり、突然切り裂いてしまったり。 せっかく綺麗な絲があるのに、人間の手が邪魔をする。 そんな無残な状況を私たちが錯覚してしまっているのではないかと思います。あるいは、一種の防衛反応として【失ったことにしてしまっている】のか。
今回の絲コンの取り組みとして素晴らしいのは、その絲を引っ張るでも切り裂くでもなく、丁寧に再編集したこと。 それは、物語絵巻でもYarn bomingでも同じです。
あるものの価値を讃え、有り難く享受し、新たに編み込むこと。
この基本動作こそが、絲の本質だと私は思います。
物体としての糸を超えた、「絲」という存在。 所作のような、関係性のような、もっと広義の概念。
それがどこかに見えたように思います。
もし、その本来の「絲」を紡ぐことができるなら、もっとまちは元気になれる。いや、本来の輝きを取り戻せる。
そんな勇気を、今回のイベントを含む絲conceptの皆さんからいただいたような気がします。
松崎の絲は美しい。
是非皆さんもその目で感じてみませんか??^^
母の愛というより、女の底力に圧倒されること間違いなしですよ♪笑
てらけん